対談:美術館とジェンダーをめぐる30年の戦い 笠原美智子×小勝禮子より
「ジェンダー視点導入を牽引した2人の企画による主な展覧会
東京都写真美術館(企画=笠原美智子)
1991「私という未知に向かって 現代女性ポートレイト」
1996「ジェンダー 記憶の淵から」
1998「ラヴズ・ボディ ヌード写真の近現代」
2001「手探りのキッス 日本の現代写真」
2005「MOTアニュアル2005 愛と孤独、そして笑い」
2006「石内都:mother's」
2008「日本の新進作家vol.7 オン・ユア・ボディ」
2010「ラヴズ・ボディ 生と性を巡る表現」
2012「日本の新進作家vol.11 この世界とわたしのどこか」
2017「ダヤニータ・シン インドの大きな家の美術館」
栃木県立美術館(企画=小勝禮子
(中略)
そのほか代表的な展覧会
1996-97「女性の肖像 日本現代美術の顔」(渋谷区立松濤美術館、企画=光田由里)
1997「デ・ジェンダリズム 回帰する身体」(世田谷美術館、企画=長谷川祐子)
(以下略)」
「笠原 1987年にシカゴ・コロンビア大学を修了して、東京都写真美術館に入ったのが89年だったのですが、アメリカの社会学、写真史や美術批評の分野ではジェンダー的な視点は当たり前に共有されているのに、日本では存在すらしないことに驚きました。」
「ー水戸芸術館の「クワイエット・アテンションズ 彼女からの出発」(2011)や、金沢21世紀美術館の「Inner Voicesー内なる声」(2011)はそれぞれ意義深い展覧会ですが、ジェンダーを持ち出すことによる政治的・心理的摩擦を避けようとする姿勢も感じられます。(中略)
小勝 「クワイエット・アテンションズ」展を企画した高橋瑞木さんはジェンダーについてきちんと研究されていたのが図録のテキストからわかります。ただ私はその2つの展覧会のタイトルを見て仰天しました(苦笑)女性の声が、なぜいまもそんなに密やかで内にこもったものとされるのか。」
京都大坂から東京に見に行って買った図録
1991「私という未知に向かって 現代女性ポートレイト」
1996「ジェンダー 記憶の淵から」
1997「デ・ジェンダリズム 回帰する身体」
1998「ラヴズ・ボディ ヌード写真の近現代」
2001「手探りのキッス 日本の現代写真」
2005「MOTアニュアル2005 愛と孤独、そして笑い」