「せいきの大問題 新股間若衆」木下直之より |
それどころか、アンデルセンの原題は『皇帝の新しい着物』であり、『裸の王様』ではない。(中略)ところが、「裸の王様」という比喩が、人間社会を風刺してあまりにも秀逸であるがゆえに、日本ではこの題名がすっかり定着した。」
「林も小林も、欧米でこれほど高い評価を得ている浮世絵が本国の日本では顧みられないことを嘆くのだが、パリの浮世絵人気を直に知る林が小林よりも一歩踏み込んだ発言をしている。日本画と称するものの多くは中国画の末流であり、西洋人には区別がつかない。浮世絵だけが独創的である。」
「同じことを日本ですれば、間違いなく係員に引きずり出され(オルセー美術館はそれをしなかった)、駆けつけた警察官に刑法第174条「公然とわいせつな行為をした者」として現行犯逮捕されただろう。結局、デボラさんは逮捕されず、警察署で事情聴取を受けただけで帰された。」