「未確認動物UMAを科学する」ダニエル・ロクストン、ドナルド・R・プロセロ著、松浦俊輔訳より |
「未確認動物が実在すると広く受け入れるのは、単に時間と資源を無駄にするというより、無知、疑似科学、反科学という一般的な文化の火に油を注ぐということになるかもしれない。科学的方法の過酷な精査、批判的思考の厳密さ、本物の証拠の要求にかけられないままに、超常的なものが受け入れ可能で科学的に信用できるとメディアによって喧伝されるほど、人々は詐欺師、グル、教祖たちのねらいにかかりやすくなる。創造主義的未確認動物学者が科学の理解を害するほど、私たちみんなの状況がますますひどくなる。
このことは、批判的思考が乏しく、基礎的な科学リテラシーがほんどない文化では深刻な問題だ。」
「広まっている超常的思考、疑似科学的思考は、楽しくも変わったものとして軽視すべきではないし、モンスターメディアの果てしのないコンベアベルトは単なる無邪気な娯楽でもない。超常的なものの誇張はそれを調達する者にとっては金になるが、その安易な利益は、反科学的・反理性的思考を奨励するという共通の対価によって得られる。」