ミニミニスキャット |
1998年と1999年の個展の作品をまとめて、キリンコンテンポラリーアワード1999に出品した作品の再構成による展覧会です。
60年代70年代の艶笑コメディの映画をモチーフとしています。
フリッパーズ・ギター、ピチカート・ファイヴなどの渋谷系と言われた音楽から、その元ネタをさがすようになりました。
たとえば、フリッパーズ・ギター「恋とマシンガン」の出だしのスキャット
https://www.youtube.com/watch?v=bJxajh5XOgE
映画「黄金の七人」アルマンド・トロヴァヨーリ
https://www.youtube.com/watch?v=dgKwXS9_K9Y
DVDはまだ存在せず、VHSビデオでもあまり出ていない、イタリアなどの艶笑コメディのサントラを聴き、ジャケットの写真を見ながら、どんな映画だろうと夢想していました。
そういった映画をモチーフとしたジオラマとして、部屋と彫刻(人形)をつくりはじめました。
部屋の壁紙としての花模様は手で描いているので、絵画なのです。
絵画が壁面にかかっているのではなく、壁面が絵画になって空間に屹立しています。
絵画である、ということがよりわかるように、額縁に入れて、向かい側にも壁紙があるであろう壁にかけました。
壁面によって会場内に通路をつくり、その間を通りながら作品を見ることになります。
幻惑するようなハレーションを起こすものとして、裏側の壁面はオプ・アートによる絵画にしています。
だまし絵やコマ撮りアニメなど、視覚の錯覚をつかった単純な驚きとおもしろさを感じるものが好きです。
座っている彫刻の下半身は陶の素焼きで、できています。
土が生乾きのときに、彫刻刀で彫り、焼いてから絵具を入れています。
最近の作品で、板に模様を彫って絵具をいれているものにつながっています。
つながりを意識してつくったことはなく、以前からやっていたと、ふと気づきました。
ジオラマを写真に撮って、コラージュし、映画のポスターのようなものを作りました。
写真には彩色が施されています。
今回は展示していませんが、油彩で描いたポスターのようなものも展示しました。
絵画は写真のようで、写真は絵画のようになっています。
映画にサントラ音楽があるように、展覧会のサントラを作り、展覧会場で流しました。
今回の展示では、キリンコンテンポラリーアワード応募ビデオに音楽を収録していますので、そのDVDを流しています。
キリンコンテンポラリーアワードはビデオによる応募でした。
当時の個展の展示の様子をご覧いただけます。
サントラのジャケットを描き、CDに絵を描きピクチャーCDとしました。
それらも、壁にかかっていませんが絵画です。
今回の個展では展示していません。
松山賢個展「ミニミニスキャット」
2014年9月3日(水)ー26日(金)
午前11時-午後7時(日・月・祝休廊)
SPACE M
東京都目黒区青葉台1-14-18
03-3462-0682
http://spacem.zels.jp/