「アート・スピリット」ロバート・ヘンライ著、野中邦子訳より |
「われわれにとって最も悪いのは恥ずかしいと思うことである。
自分が知っている以上のことを知っているふりをすること、また自分がよく知らないことを話すのは弱さの証である。」
「なかには、一時期だけ一生懸命勉強に励むが、やがて「卒業」すると、自分が学んだわずかな知識だけにどっぷり浸かって自足してしまう人びともいる。」
「人生は浪費されている。人類は、本来得るはずの半分の楽しみも味わえず、作れるはずの美しいものを生みださず、一人ひとりは、ありえたはずの朗報を他者にもたらさない。」
「ニューヨークに戻って以来、私はかなりの量の作品を仕上げてきた。しかし、結果は残念なものだった。というのも、なんの結果にもつながらず、私はあいかわらず無名のままでいるからだ。自分の目に留まったものを世間の人にも見せたいと思っていくつも作品を描いたが、なんの反応もない。この夏に仕上げた作品もその一部だ。
それでも、人は自分のいる場所で孤軍奮闘し、考えなければいけない。一人きりでも絵を描きつづけなければいけない。大事なのは考えること、そして仕事を続けることだ。」