「キレイならいいのか ビューティ・バイアス」デボラL.ロード、栗原泉訳より |
「矛盾しているのだが、容姿は重要だが、それでも容姿を磨こうと専心したからといって、生活の質が格段に向上することはない。他の形の消費と同様に、容姿に対する投資は永続的な満足感を与えてくれないことが多い。いったん目新しさが薄れ、一つの「問題」が解決されるや、新たな形の自己表現や自己改善が必要に思えてくるのだ。社会科学者たちはこうしたパターンを「終わりなき幸福感の追求現象」と呼んでいる。人間は持てば持つほどもっと欲しくなるのだ。いったん満足すると、さらなる欲望や期待が湧き、比較基準が跳ね上がる。」
「型にはまった理想に沿うための努力をしても、長い目で見れば「本人だけでなく女性全体が高い代償を払うことになる」と理解している女性も多い。だが、短期的に見れば、この努力は成功を勝ち取るための代価のようだ。つまり、「容姿で女性を判断し、容姿によって報いる文化を、とりあえずは受け入れ」るのだ。個々の女性に「男女平等という遠い将来の夢のために、自分の出世は諦めろ」と求めることはできないだろう。」