「Jポップとは何か―巨大化する音楽産業ー」 烏賀陽 弘道著より |
(ブリティッシュ・インベイジョンに対して)
「それに比べると「Jポップ」は日本人が自分でつくった「自称」である。「世界と肩を並べる日本の音楽」が「Jポップ」なのではない。「世界と肩を並べたと日本人が思っている音楽」あるいは「世界と肩を並べたという商品のイメージをつけた音楽」が「Jポップ」である。」
「こうした「英語で歌う日本人」を愛好する聞き手が、欧米の英語ネイティブが母国語で歌う音楽(つまり洋楽)を愛好しているかというと必ずしもそうではない。そうした日本の聴き手が求めているのは、あくまで「英語(のような言葉)で歌う日本人」=「インターナショナルに見える」だけで十分に満たされる。聴き手にとって、実際その英語が偽物かどうかは問題ではない。その商品としての「うた」の購買動機は、まったく別のところにある。」