花村萬月の言葉 |
花村萬月「あるころから小説書くの、つまんなくなってきて、職業として始めたんで、売れなきゃならないという思いが強くて、それで設計図作って、がんばって小説書いてきたんですよ。でも設計図どおりに小説書いてる辛さが、だんだん怠惰につながってきて、これじゃ普通に勤めてんのと変わらねえなあという雰囲気になってきて、あがいていたんですけど。
「ゲルマニウムの夜」も最初の「イグナシオ」というの書いたときに規制が入っちゃったんですよ。」
大森立詞「父親もあれで・・、弟も売れっ子俳優になって、さあ俺はどうする、という感じがあったんですけど・・(中略)・・俺は一体なんなんだ、というイライラが・・」
花村萬月「俺は一体なんなんだ、つうの常に、俺の小説のテーマなんだよね。問いかけているよね。自分探しっていうと、みんなバカにするけど、人生、人の生きることって自分探ししかないような気がするんだけどね。」
花村「テーマが1個2個、大きな柱があって、同じことやってるんですよ、俺。ひたすら同じことやってるんですよ。答えが出てこないんで、しょうがないからやってるんで。おそらく行き詰まる人は、ごく目先のことしか見えないんじゃないですか。そりゃあ、まずいよね。何かホントに描きたいものがあればね。持続せざるを得ないんだよね。」
花村「きっと奴隷にすぎないんだよね、表現者なんて」