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「ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた」パット・シップマン著、河合信和監訳、柴田譲治訳より

「わたしが言いたいのは、現生人類は生物史上最も侵入的な生物だということだ。約20万年前アフリカでおずおずと進化の一歩を踏みだして以来、わたしたち現生人類は世界中に広がり、地理的領域を次々と侵略し、新たな生息地を開拓し、いまでは全大陸に生息している。」

「さらにわたしたちは他の動物を家畜化することによって生きた道具を発明し製作することもしてきた。繁殖を制御することで、動物の遺伝子から望ましい形質が現れるようにしたのである。そうすると家畜動物と飼い主である人間との間にはある種の契約、あるいは協定が形成されることになり、わたしたちは家畜化した生物の解剖学的、行動学的能力の助けを得ることができる。」

「わたしが本書で論じるのは、ネアンデルタール人の絶滅は彼らの生息域に現生人類が出現したことが引き金となったという仮説で、かいつまんで言えば、現生人類はこのうえなく適応能力の高い侵入生物であり、現代のわたしたちもこの絶滅が生じた時代の現生人類とまったく同じように行動しているということだ。」

「イヌ属(Canis)の全現生動物であるイヌ、オオカミ、コヨーテ、エチオピアンオオカミ(アビシニアジャッカル)、そして3種類のジャッカルは、野生状態で交雑可能でしかも生殖能力のある子孫を増やせることも問題を難しくしている。つまり最初にイヌが家畜化された後も、イヌの種内に外部からの遺伝子流動があったため、イエイヌの正確な起源の同定が難しいのだ。」

「(前略)『先史芸術家が肉食動物をめったに描かないのは[西ヨーロッパの]上部旧石器時代の化石動物相に肉食動物が少なかったことと関連している。イヌが狩猟民の補助者として人間の家族の一員となっていれば、人間と同じように、絵や彫刻として描かれない(あるいはほとんどない)根拠とならないだろうか?』
 明らかに毛皮を得るために毛皮を剥がれた例外的に多数のイヌか動物の骨が含まれるマンモス骨出土の大型遺跡でさえ、オオカミもイヌも、またホッキョクギツネも芸術の対象にはなっていない。象牙、骨、石、そして焼いた粘土でマンモスやウマ、バイソン、クマ、ネコ科動物、水鳥、ライオン、女性小立像は表現されている。しかしイヌはみつからない。」

「イヌであるということは、すなわち人間とのコミュニケーションが基本であるということであるので、以前わたしが発表した、不確かではあるが興味深いアイデアをここで繰り返しておこう。人間には眼球に一部として、色のついた虹彩を囲む白い強膜があるが、これは際立った特徴だ。(中略)他の霊長類の強膜は暗色で、同じように暗色の皮膚をもちさらに瞼で強膜はほとんどが覆われているため、視線方向を悟られにくい。しかし人間の場合は、白い胸膜に開いた瞼があるので注視している方向が遠方からもはっきりわかり、見ている方向が水平ならなおさらよくわかる。そこで幸島はこうした人間の目の変化は、目で合図を送る効果を高めるための適応だと提案する。わたしは仮説として、5万〜4万5000年前頃、つまり現生人類が初めてユーラシアに侵入した頃に、現生人類の間ではこうした眼球の変異が非常に多く見られるようになったのではないかと考えている。視線方向がわかりやすいことは、オオカミイヌと協力して狩猟をするばあい、非常に有効だった可能性がある。」

「5万年前から今日に至るまで、現生人類が圧倒的な侵入者となり得たのは、家畜化という前例のない多種との連帯形成能力が要因のひとつだったとわたしは考えている。わたしたちはオオカミを家畜化してイヌを生み出し、ずっと後には野生ムフロンをヤギにし、オーロックスをウシに、リビアネコをイエネコに、さらにウマを高速輸送システムに変えた。わたしたちは他の種の形質を借り受ける能力を独力で生み出し、それらを利用して地球上のどんな生息地でも生き残れる能力を身につけた。 
 気候変動と新たな能力を身につけた現生人類の到着が重なりその影響が同時に作用したこと、それがネアンデルタール人絶滅の原因だとわたしは考えている。」

「もうお気づきのことと思うが、わたしたち現生人類の正体は「侵入者」なのである。将来、地球の敵と遭遇したとき、それがわたしたちでなかったとすれば大成功だ。だがそれにはまず、わたしたちの行動を大きく変えていかなければならない。」








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by mt_pineart | 2017-01-31 13:30 | 本の抜き書き | Comments(0)

アホロートルを飼う。

関内から伊勢佐木町への大通り沿いには風俗店が並んでいる。
こんなメインストリートにこんなにたくさんの風俗店があるのは珍しい。
そんな中に観賞魚を中心としたペット屋が数年前にできた。
よく前を通るのでときどき立ち寄る。
ベタでもまた買おうかと見ていたら、袋に入ったアホロートルが売っていた。
マーブルという黒緑色の斑色は原種らしい。
アルビノと2匹買ってくる。
濾過器を入れると、水流の上にいって、くるんくるんと巻き込まれている。
水流が強すぎるのか大丈夫なのかと見ていると、自分から水流に巻き込まれに行き、静なところにいっては、また巻き込まれに戻っているので、遊んでいるように見える。
見ていて楽しく飽きない。
四つ足も小さくて可愛らしい。

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by mt_pineart | 2017-01-29 12:20 | 日常 | Comments(0)

ぶんしゃか

新聞とるのやめて、テレビ放送も映らないので、午後5時からのラジオのニュース番組と、午後7時とときには午後10時のを聞く。
今日のニュースではぶんしゃか、ぶんしゃかと音声で、東芝の半導体事業分社化。
あと、まったく興味のないスポーツニュース、大相撲の力士名の音声のみで漢字を知らない。
他のスポーツもまったく興味がない。
ガガマルという字を、フェレットのカゴの下敷きに使う新聞で初めて見た。前にもその新聞見たはずだが、もうまた忘れた。
新聞はスポーツ欄を見ずに急いでめくることはできるが、ラジオはできない。



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by mt_pineart | 2017-01-27 23:05 | 日常 | Comments(0)

「ヒト ー異端のサルの一億年」島泰三著

「アフリカ以外の現代人にネアンデルタールの遺伝子が残されていた。(中略)
 しかもその遺伝子の流れは、ネアンデルタールの雄からホモ・サピエンスの雌への一方的なものだった。」

「この裸のサルには、もう一つの相貌があった。顔の皮膚が薄いために、それを動かす皮筋は、多彩な表情を作りだすことができた。」

「ホモ・サピエンスがその起源地から生息地を拡大しようとしたとき、その先には常に、生態系の王者として君臨する王獣ホモ・エレクトゥスと格闘者ネアンデルタールが立ち塞がっていた。」

「最初の出アフリカに失敗したホモ・サピエンスは、10万年前にすでに紅海でカキやその他の貝類、甲殻類などを漁っていたが、ここでは、大型のシャコガイはホモ・サピエンスの到着直後にいなくなっており、ホモ・サピエンスの特徴であるオーバー・キル(資源の回復不能なまでの利用)が起こっていた。この資源利用方式もまた、ホモ・サピエンスがきりもなく、その生息地を拡大しなくてはならない理由だった。」

「土器は煮炊きによって食物を決定的に変えた。土器は消化と衛生の夢を同時にかなえる万能の道具だった。その起源について「最古の土器は日本製」とよくいわれるが、東アジアではほとんど同時期に南中国(18000年前)、シベリアと日本列島(16500年前の青森県大台山元Ⅰ遺跡〜12000年前の愛媛県上黒岩岩陰遺跡)で使われるようになった。それでもメソポタミアの一万年前よりも明らかに古い。」

「イヌの脳は同じ大きさのオオカミの脳に比べて30パーセントほど軽い。野生種のイヌが家畜のイヌになったとき、脳は萎縮した。ではそのとき、ホモ・サピエンスに何が起こったのか?
 3万〜2万年前のネアンデルタールやホモ・サピエンスと比較すると、現代人の脳容量は150cc(10パーセント)も少なくなっている。農耕・牧畜による栄養不足とイヌに精神活動の一部をゆだねたためではないだろうか?
 人類学者たちは、イヌについては「家畜化」と語り、人の側については「自己家畜化」と、あたかもそれが自分で選び取った成果でもあるかのように語る。だが、それは間違いだ。イヌがホモ・サピエンスに家畜化されたように、ホモ・サピエンスはイヌに家畜化されたのだ。」

「表層的な観察では日本社会が「二重構造」に見えるのは、無数の源流を持つ日本列島住民の社会が国家として統一されたのが、稲作文明の流入以降だからである。」





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by mt_pineart | 2017-01-18 21:00 | 本の抜き書き | Comments(0)